北海道新聞の社説を読んで 「代理戦争」論の無礼さ

2022.6.7日の北海道新聞朝刊の社説欄にこのような記事があった。

 

ウクライナ戦闘 拡大回避のために停戦を」

 

この記事は当たり前であるがウクライナに停戦、降伏を呼び掛けるのではなく、ロシアへの呼びかけの記事であった。全くその通りであり、筆者も大いに賛同する

残念な主張「代理戦争」論

しかしながら、この記事には大きな問題点がある。それは、ロシア・ウクライナ戦争を米国の「代理戦争」としているところである。

この「代理戦争」論とは、アメリカを筆頭とする欧米が自らの手を汚すことなくロシアの政権を転覆させるための戦争で、ウクライナは西側諸国に思うままに操られている、という論だ。欧米がウクライナを軍事的支援をするのは、ウクライナを利用してロシアをつぶすためではない。ロシアの武力による現状の変更に対抗するためである。

このような下劣な論調は愛する祖国のために血を流して戦うウクライナ国民に大変失礼なものである。ウクライナ降伏論を唱えるのとは大きな差があるとはいえ、許されがたい主張である。

ロシアに降伏してはいけない

この戦争でロシアには大義名分などない。これは事実であるのは、左っぽい情報に触れている人でもわかるだろう。ここではもうあえて説明はしない。

ただ、ロシアが悪いが西側諸国にも責任があるという「どっちもどっち」論はたまに聞く。ウクライナにも非があるのだからと、ウクライナ降伏論を一般人で唱えている人がいれば、歴史の無知によるものではないかと思う。ただ、ウクライナ降伏論を唱える有名政治家などは病気なのではないかと思う。頭もよい人が多く歴史を知らないことはないだろう。ウクライナ降伏論を唱えるかはわからない。

では、歴史を振り返りたい。

とくに有名なものではカティンの森事件がある。1939年のソ連によるポーランド侵攻で、多数のポーランド人捕虜を連行し1940年4月に4443人の捕虜を虐殺したと推定される。

また、日本人もソ連による虐殺を受けている。

第二次世界大戦の末期に樺太の戦いがあった。

1945年にソ連は日ソ中立条約を一方的に破棄し対日参戦した。ロシアは北海道のへの侵攻を企図し、それに向けた拠点確保が樺太の戦いだ。そこでもソ連樺太からの疎開船を撃沈し1700人近くが死亡。避難できなかった民間人が殺害、暴行されている。

そして、記憶に新しいのはウクライナの都市、ブチャの大虐殺だ。ロシアは関与を否定するも次々と動画や写真といった証拠が挙がっている。被害者は少なくとも410人が見つかっていいる。

このように歴史から見ても降伏しても殺すというのがロシア軍の性格なのではないか。

祖国の人権のため、民主主義のために戦うと決めたウクライナ国民を我々は外から「降伏しろ」だとか「この戦争は代理戦争だ!」だなんて決して言ってはいけないのではないだろうかと筆者は考える。

 

道内大手メディアの北海道新聞がこのような社説を掲載するのは残念でならない。